【撮影機材】SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art セカンドレビュー

SIGMA(シグマ) 85mm F1.4 DG DN|Art

前回【撮影機材】SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art レビューという記事で、「SIGMA(シグマ)85mm F1.4 DG DN|Art」についてのその時点での使用感や感想などをファーストレビューしました。

今回は購入より5ヶ月近く経ち、日常使いだけでなく、出張家族撮影や七五三撮影の現場で実際に人物撮影に使用した経験をも踏まえてセカンドレビューをしていこうと思います。

このレンズの重さや大きさの具体的な数値は、前回のファーストレビューでも記載させていただいたので割愛します。

AF(オートフォーカス)について

訂正

まずお伝えしたいことがあります。

前述のファーストレビューの中で、

このレンズの弱点があるとすればそれはAF性能かもしれません。

と書きましたが今回訂正させていただきます。

不満がないオートフォーカス性能

実際の撮影現場にて人物撮影や広告撮影など様々な場面で使用しましたが、SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Artのオートフォーカス性能は全く不満がないですね。

オートフォーカスのスピードは、35mm判フルサイズレンズでF1.4という巨大なレンズ群を動かしているにも関わらずとても速いです。

またミラーレス専用設計のレンズなので、ピント合焦の精度も非常に高く、SONYαのオートフォーカス性能の実力を遺憾なく発揮することが可能です。

使用するカメラが、α9であってもα7RⅢであっても変わらず高速高精度なオートフォーカスを体感できますので、ソニーαシリーズユーザーの方はα第3世代以降のカメラ(フルサイズであればα9・α7RⅢ・α7Ⅲ、APS-Cであればα6400以降に発売されたカメラ)であれば同様に問題なく高速高精度なオートフォーカスを体感できると思います。

一眼レフ用レンズをマウントアダプターで使用する場合、ピント合焦時のウォブリングが気になるんですが、本レンズはピント合焦時のイヤな挙動もありません。慣れたということもあるのかもしれませんが、オートフォーカスの感覚は純正のSONY FEレンズを使用している時と比べて違和感を感じなくなりました。

オートフォーカス性能に関しては、SONYがEマウントのマウントライセンスを公開していることによって、SIGMAが自社レンズをSONYのボディに完全にネイティブに対応させることが可能になるという部分の明らかな利点が出ていますね。

歪曲収差と周辺光量について

ミラーレス専用設計のレンズのトレンドとして、歪曲収差や周辺光量を光学的に補正するのではなく、カメラ内やPCでデジタル補正する事を前提として設計されているので、カメラ内レンズ補正を使用しない場合や、RAWで撮影した素の状態だとかなり歪みもあり周辺も暗くなります。

僕はRAWでしか撮影しないので、Adobeが本レンズのレンズプロファイルに対応するまでの間は、手動で補正を行っていました。

業務で撮影する場合には、撮影枚数が膨大になるのでそれが地味に面倒な作業だったのですが、2020年12月にAdobeがレンズプロファイルに対応してくれたので、それからはLightroomのレンズ補正メニューでプロファイルを適用させるだけで、ワンクリックで歪曲収差と周辺光量を補正することができるようになりました。

歪曲収差や周辺光量は、デジタル補正を前提に設計する最近のトレンドに不満を言う方もいますが、そのお陰で一眼レフ時代のレンズと比べて圧倒的な軽量コンパクトを実現できているのだから僕は全然ありだと思います。

レンズプロファイル補正による画質の劣化もほとんどわからないレベルですしね。

描写について

作例:スナップ撮影

SONYα9 ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα9 ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα9 ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα9 ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα9 ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)

車のような硬質な人工物も、人間や自然の木々などの柔らかいものもすっきりと描写してくれる印象です。

いや、好きすぎる写りですね。

シャープだけど、いかようにも料理できる懐の深さ。
こんな風に撮りたいなと思ったときに、思ったとおりに撮れるレンズって感じです。

そして、レンズ本体が軽量なことも相まって、スナップ撮影がとても楽しいです。
軽量コンパクトなαシリーズとのマッチングも最高で、日常の写真も気負わずに(でも最高画質で)撮ることができます。

一眼レフにSIGMAの一眼レフ用ARTシリーズをつけて散歩してた時代が、遠い昔のようだわ。
SIGMAがミラーレス専用設計のARTシリーズをF1.2路線(SIGMA35mmF1.2DGDN|Art)だけにせず、軽量コンパクトなF1.4路線も開発してくれたことに感謝です。

いずれ発売されるであろう、SIGMA50mmDGDN|Artはどっち路線で行くのか興味津々です。

作例:家族写真

SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)
SONYα7RⅢ ,SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art , (F1.4)

実際の出張家族撮影の現場でも、たくさん活躍してくれました。

オートフォーカスも俊敏で、人物撮影においても撮りたい瞬間を逃すことなく撮影できます。
また、カメラとレンズを組み合わせた際のトータルでの軽量コンパクトさに優れているので、カメラ2台持ちの中でも非常に取り回しが楽でした。
そして、何よりほんと写りがいいですよね。

僕の場合、出張家族撮影に使う機材には「軽量さ」と「写りの良さ」の2点を求めているので、SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art は自分の撮影スタイルに非常にマッチしていました。

最後に

SONYαユーザーで85mmという焦点距離のレンズを探していて、ご予算が許すのであれば、SIGMA 85mm F1.4 DG DN|Art は間違いなくお勧めできるレンズです。

初めてカメラデビューした人には85mm単焦点は少し使いにくいと思うけど、85mmという中望遠の焦点距離にギャップを感じない方はきっと満足できると思います。

僕はというと、仕事、プライベート、作品撮りにとこれからもどんどん使っていきたいと思います。