SONY Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZAレビュー
SONYEマウントレンズのSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAを、今まで仕事やプライベートでたくさん使用してきましたのでレビューしてみようかと思います。
フルサイズセンサーで55mm、APS-Cセンサーで使用すると約83mmとなりポートレート撮影にも向いているので購入を検討している方も多いのではないでしょうか。
家族撮影のプロとして人物撮影の作例を多めに紹介させていただきます。
気に入っている点
まずは気に入っている点。
開放F値が1.8と控えめな事で重量281gと 非常に軽量です。
オートフォーカスも非常に高速で正確なので、軽量な事とあいまって取り回しがすこぶる良いです。
αシリーズのカメラは軽量路線なので、非常に相性が良いと感じます。
ただし、せっかく軽量でも描写性能に不足があると使いたくないのですが、このレンズはその辺は全く問題ないです。
昔はF1.8のレンズは撒き餌レンズと言われており、入門者向けの安くてそれなりの性能のものが多かったのですが、今時はF1.8でも性能に妥協しないものが増えてきたように思います。
残念な点
一番の残念なポイントは、最短撮影距離が50cmとこの焦点距離のレンズとしてはあまり被写体に寄れません。
カフェで料理を撮影しようとすると座ったままではまず無理で、椅子から立ち上がって周囲から「必死かよ」という冷めた目で見られることは覚悟してください。(カフェで使うなら35mmくらいの寄れるレンズがオススメ)
他には玉ボケに年輪が見られますが、まあその辺は撮り方次第なのであんまり気にならないかな。
逆光気味の時にはパープルフリンジもそれなりに出ますので注意しましょう。
個人的にはもう少し太くて短いレンズの方がカメラを構えた時に好きなのですが、ミラーレスカメラのレンズは比較的細くて長い傾向がありますね。
作例1(ほぼ絞り開放)
開放で撮影すると収差を感じますが、ピントの合った部分の解像度が素晴らしいです。
背景の玉ボケは周辺部がレモン型で、ボケ自体は玉ねぎボケですが距離感に気をつけて使用すれば全然気になりません。
むしろ周辺部の弱点は、被写体を中央に置いた際に被写体を際立たせてくれるので嫌いじゃないです。
少し離れた距離から被写体を開放で写した時の立体感が好きですね。
作例2(絞って撮影)
絞ると解像度の高さがより一層際立ちます。
遠景の描写はキレキレですし、最後の女の子の写真はこのレンズの高い解像度と高速なオートフォーカスの賜物で一瞬を逃すことなく撮影することができました。
というかこの写り凄すぎないですか。
ボケがいらない場面で被写体を近距離で撮影する場合は少し絞ってあげると良いですね。
総評
ネットではこのレンズが寒色系の描写で人物撮影に不向きとするレビューも多いようですが、僕はあまり気にならないですね。
確かに他のレンズと併用する際には色温度の違いによる調整が必要になりますが、このレンズ一本で撮影する場合は関係ないですしね。
むしろ色味に関しては透明度が高いように感じますし、人物撮影でも活躍してくれるレンズだと思います。
僕は似たような焦点距離の50mmで開放F値がF1.4であるSIGMAの50mm F1.4 DG HSMも使用しており大好きなレンズなのですが、そちらは重量が815gもあります。(マウントアダプターと合わせると1kg近い)
仕事で使うならまだしも、普段から持ち歩くレンズとしてはSonnar T* FE 55mm F1.8 ZAは最高のパートナーだと言えるでしょう。
F1.8のレンズにしては少し高価(8万円代)ではありますが、SONYαシリーズをお使いの方には非常にオススメのレンズです。