ぼかして撮る

これだけは知っておきたい。ぼかすための3つのポイント。

背景を大きくぼかして撮ることは、一眼カメラを使う醍醐味の一つです。

ぼかす方法ならもう知ってるよ、という方もいると思いますが、ここではより大きくぼかすためのポイントを3つ紹介させていただきます。

それらの方法をマスターして、iPhoneやコンパクトカメラでは決して撮れない、背景を美しくぼかした写真を撮ってみましょう。

F値を小さくする

まずは背景をぼかすための基本知識のおさらいです。

基本編の絞りの回(絞りを調節して光をコントロールする)でも説明したように、絞りを開けて撮ることで被写界深度が浅くなり、ピントの合った場所以外をぼかすことができます。

どこまで絞りを開ける事ができるかは使うレンズに由来しますが、F1.4~F2.0くらいに開けることができれば大きくぼかすことができます。
もしお持ちのレンズが開放でもF3.5など暗めであれば、一度量販店などで開放F値がF1.8などの明るい単焦点レンズをお試しになってみると良いでしょう。
圧倒的なボケにメロメロになってしまうこと間違いなしです。

ただしこれで終わってしまうと、開放F値が明るいレンズを買うべしというお金にモノを言わせた結論になってしまいますよね。

なのでここからは、いまお持ちのレンズで最大限にぼかすための方法について説明していきますね。

ぼかすための3つのポイント

カメラの設定はAVモードで、絞りは開放に設定した上で下記のポイントを実践していきましょう。

やり方がわからない方は基本編の
撮影モードはどれを選べばいい?
を参照してください。

1 望遠側で撮る

背景をぼかすには、広角レンズで撮るより望遠レンズで撮る方が効果的です。
ズームレンズだと例えば、18~135mmのレンズを使われている場合、18mm側で撮るより135mm側で撮った方が大きくぼけます。

2 被写体の背景がひらけた場所を選ぶ

被写体のすぐ後ろに壁などがあると、いくらF値を開放にしても大きなボケにはなりません。
被写体の背景がひらけた場所で撮影できるようにアングルを調整しましょう。

3 被写体にできるだけ近寄って撮影する

これは意外に忘れがちなポイントなのですが、大きなボケを生み出すにはとても重要です。

レンズにはそれぞれ最短撮影距離というものがあって、その距離より被写体に近づくとピントが合わなくなります。
できるだけ近寄って撮影するということは、最短撮影距離ギリギリまで被写体に寄るという意味です。

作例

それでは3つのポイントを踏まえた上で、何点か作例を見てみましょう。
どちらの写真も中望遠レンズに該当する85mm F1.8の開放で撮影してます。

ぼかして撮る(被写体に近寄って撮影。背景の植え込みまでの距離は1mくらい。)

ぼかして撮る(被写体に近寄る+背景がひらけた場所で撮影。背景の植え込みまでの距離は5mくらいかな。)

上下の写真を比べてみると、どちらも背景が綺麗にぼけていますが、同じ開放F値で撮影したにもかかわらず下の写真の方が背景のぼけがより大きいのがわかりますね。
つまり、ぼかして撮るためには開放で撮るだけでなく、被写体までの距離や背景との距離も重要な要素になってくるということです。

勘違いしていただきたくないのは、大きくぼかせばそれがいい写真なのかというと決してそうではありません。
重要なことは、ぼけを作る要素を知ってそれを自在にコントールすることなのです。

最後少し小難しくなりましたが、被写体にだけピントが合って背景がとろけるようにぼけた写真は、見る人の心を強く惹きつけること間違いなしなので、どんどん活用してみてくださいね。

まとめ

  • ぼかすための重要な要素は、望遠側で撮る、被写体の背景がひらけた場所を選ぶ、被写体にできるだけ近寄って撮影するの3つ
  • ぼけを作る要素を知ってそれを自在にコントールすることが大事
  • 背景を大きくぼかした美しい写真は、見る人の心を強く惹きつけるのでレッツトライ‼︎