写真教室でよくご質問いただくのが「新しくカメラを購入したいけれど何を買ったらいいかわからない」というものです。
最近のカメラは家電製品のように多彩な機能を持っていて、初心者の方には複雑すぎるのが理由ではないかと思います。
今回はデジタル一眼カメラの選び方についてコトノハカメラ的にシンプルに説明していきます。
一眼レフとミラーレス一眼
現在のレンズ交換式デジタル一眼カメラは2種類に分けられます。
一眼レフ
いわゆる昔ながらのカメラの形。
普段はレンズからの像がファインダー越しに見えていますが、撮影時にはミラーが上がって撮影素子でそれを写し込みます。
ファインダーで肉眼で見たままの光景を目視できる反面、露出補正やホワイトバランスの変更はわかりません。
ミラーレス一眼
近年めざましく進歩している新しいカメラの形。
撮影素子からの映像を液晶ビューファインダーや背面の液晶モニターを見ながら撮影します。
液晶ビューファインダーや背面の液晶モニターは、露出補正やホワイトバランスの変更を撮影前に確認できるので初心者には便利です。
撮影素子の大きさ
レンズ交換式の場合、レンズからの光を受光する撮影素子(センサー)はおもに3種類あります。
一般的に撮影素子は大きいほど画質面やぼけの大きさで有利になります。
その反面、撮影素子の大きさは価格と大きさや重量に直結します。
マイクロフォーサーズ
今回説明する中では一番小型の撮影素子。
撮影素子が小さいのでボディやレンズがコンパクト。
全体的に価格もリーズナブル。
重くてかさばるカメラが嫌な方には最適。
APS-C
今回説明する中では中型の撮影素子。
もっとも一般的で人気なAPS-Cセンサー搭載機。
大きさや重量でバランスがとれていて、価格も中程度。
35mmフルサイズ
今回説明する中では一番大型の撮影素子。
大きなぼけを作れて高画質。
撮影素子が大きいため、必然的にボディやレンズも大型になり、システムトータルでとてもかさばる。
またボディやレンズともに高価な傾向。
選ぶ際のポイント
画素数について
デジタルカメラの優劣を画素数で判断しがちですが、1600万画素もあれば十分です。
高画素になればそれだけ一枚のデータサイズも大きくなり、取り扱いも不便になることにも注意しましょう。
35mmフルサイズが欲しい方へ
画質については、以前ほど機種間の優劣はなくなってきています。
もちろん撮影素子の説明で書いたとおり35mmフルサイズが一番高画質なのは間違いないのですが、一般の人が日常的に撮影する上で35mmフルサイズはオーバースペックかなと思います。
どうしても大きなぼけが欲しくて予算が潤沢な方は35mmフルサイズ搭載機を選ばれたらいいでしょう。
ただし、マイクロフォーサーズやAPS-Cでも大きくぼけるレンズは存在しますのでそちらを候補にしてもいいんじゃないかと思います。
一番優先してほしいポイント
一般的な使用目的でデジタル一眼カメラを選ぶ際に一番優先していただきたいのは、カメラシステム全体の大きさと重量です。
家でしか写真を撮らない方は別ですが、基本的にカメラは持ち歩けないと意味がありません。
荷物がカメラしかない方はいいかもしれませんが、お子さんがいる方などは大きくて重いカメラなど持ち歩けないと思います。
想像しにくい方はいつものカバンに1~2キロのダンベルが入っていることを想像してみてください。
結構な覚悟が必要ですよね。
忘れがちなポイントですが、大きさと重量はとても重要です。
デジタル一眼カメラの選び方
価格的にもサイズ的にも一番コンパクトにまとまるのはマイクロフォーサーズです。
あとは今回の内容を踏まえた上で、ご予算と自分の持てる重量とサイズの許す範囲でAPS-Cでも35mmフルサイズでもお好きなカメラを購入されたらいいと思います。
ここまで説明してきたように、高いカメラがいいカメラということではありません。
使う人の用途に適したカメラが、その人にとって一番のカメラになるのです。
カメラは高価なものです。
みなさんが納得できる買い物をしていただければ幸いです。
まとめ
- 特殊な機能よりも、カメラの基本的な性能に着目する。
- カメラは普段から持ち歩くもの。自分の持てる重さとサイズのものを選ぶ。